2014年11月27日木曜日

リアルタイム分析のルールはどこから用意するのか

データアナリティクス事業部でリアルタイム技術に関するテクニカルエバンジェリストをしている新村です。





最近お客様と接していると、にわかにリアルタイム分析の需要が伸びてきているように感じるこの頃です。

一般的にリアルタイム分析では、事前に分析ルールを設定しておいて、トランザクションを分析ルールに当てはめる方法でリアルタイム性を実現していきますが、お客様に説明をしていると「うちにはそんな分析ルールは存在しないよ」というご意見をいただくことが多々あります。

リアルタイム分析の現場ではどのようにルールを用意しているのでしょうか?

最も有効なアプローチは、相関分析の結果をモデリング(Aという事象が発生したらBという事象の発生確率が高いというルールを見出し)して、これをリアルタイム分析プラットフォームにルールとして組み込む方法です。

IBM社のCEP、StreamsではSPSSの統計解析モデルが取り込めますし、弊社扱っているCEPのAPAMAでもPMML(Predictive Model Markup Language、Data Mining Groupが定める分析プラットフォームに依存しないXMLベースのデータマイニングと機械学習のためのデータモデルの規格)を取り込んで利用しているユースケースがあります。

なぜ、最も有効なアプローチなのかと言えば、統計解析結果に基づく予測モデルを作成し、リアルタイムに分析し、効果を可視化することで、ビッグデータ分析のPDCAサイクルを実現できるからです。特にリアルタイムなデータ活用では、アクションから効果が見えるまでの時間が短時間なため、行動の因果関係が明確で、かつ、素早く実効性が明らかになるため、より効果的なPDCAサイクルを短時間で回すことが可能になります。弊社ホームページの事例で紹介している、カスタマーエクスペリエンスの事例では、PDCAサイクルが高速化されたことによって、日単位だったマーケティングサイクルが分単位に短縮されたという実績もあります。

では、統計解析をしていないとリアルタイム分析に手を出すことはできないのか、というとそんなこともありません。

次善の策とあらかじめ断っておきますが、現場の暗黙知をルール化する方法もあります。

ATMの不正利用にリアルタイム分析を活用しているケースでは、暗黙知をルール化し、人間の判断を高速化することで、高いビジネスインパクトを生み出しています。具体的には、普段は利用しない日に高額の出金が発生している、国内で出金されてから数分後に海外で出金が発生している…といった怪しい(普段とは異なる、現実的に難しい)取引を、銀行内部では不正取引として判断する暗黙知が存在しているのですが、取引量は膨大で「怪しい」と気づくまでに時間がかかる、これを機械化することで効果を上げています。

ただし、なぜ、このユースケースを次善の利用形態として挙げているのかと言えば、このような取り組みは論理的裏付けが弱く、なかなかルール化も難しいため、あまり成功している事例が少ないからです。過去に企業内部の暗黙知をシステム化して効果を上げようとしてきた試みは多く存在しました。Rule Based Management は古くから企業が取り組んでおり、漸進的に進んできていますが、なかなか成功していません。上記の例では、信用不信という銀行の中核的利益を脅かす脅威が存在していたからこそ、定着できた数少ない事例と言えます。

このような背景もあって、わたしは、統計解析による相関関係が明確になっている方が、リアルタイム分析を実現した際の費用対効果が高くなると考えています。ビッグデータブームで統計解析をしてみたものの分析結果を有効に活用できていないようであれば、リアルタイム分析を検討してみてはいかがでしょうか。

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