2016年3月10日木曜日

データ分析における「赤鉛筆」の存在

データアナリティクスグループの左近です。




唐突ですが、私の最近のテーマ。
「【分析】ってなに。」

"アナリティクス"を謳っている部署なのに。


以前、友人たちと中山競馬場にレースを見に行ったときのお話。

意気揚々と訪れたものの、私含め友人はみな、競馬についてはド素人。
馬券を買うにしても、ノウハウなどは全くなく、スポーツ新聞の情報が全て。

オッズ(倍率)を見て、専門家の付けた予想(◎とか▲とか)を見て、あーだこーだ。
前走のレース結果や馬体重の変化なども書いてありますが、
特に気にすることもなく(正しくは、見方が分からず)。

結局、どれを買ったら良いか分からず、
「あえての3番人気」だったり、「大穴ガッポリ狙い」だったりと
各々が好き勝手なことを言っている中、友人の奥さんがポツリ一言。


「鞍上が○○(騎手名)だからなぁ…、あいつGI勝てないからなぁ…」

「「「えっ!?」」」


私や他の友人どころか、その旦那までビックリ。

それもそのはず。
普段はギャンブルしない、タバコも吸わない、
「AneCan」みたいなお上品なお洋服を身に纏ったお姉さまが、
突如、その辺でワンカップ飲みながら、耳に挟んだ赤鉛筆で
スポーツ新聞にグリグリ印つけてるおっさんみたいなことを言い出した訳で。


「え…、え、××××(馬名)切るってこと…?」
「うん、○○(騎手名)はG1以外なら強いけど、G1は勝てない」


キッパリと断言。
お姉さま、そちら一番人気の馬でございますが。

聞けば、こちらのお姉さま、大学時代によく中山競馬場に遊びにきていたり、
どういうツテで知り合いになったのかは分かりませんが、
ある冠名で有名なグループのオーナーと知り合いだったりで、
そのノウハウを元にした分析には舌を巻くばかり。

結局、馬群に沈んだ一番人気の馬に対しては
「無理して内から行こうとしないで、さっさと大外からぶん回せば良かったのにね」
とニッコリ。収支も余裕の一人勝ち。

ははー、おみそれしました。


閑話休題。


冒頭の話に戻しますが「【分析】ってなに」ということ。

これは自戒の意味も込めてですが、ITベンダーは良く
「BIツールを導入してデータ分析」みたいな表現をしたりしますが、
これだけだと、半分は本当で半分は嘘。

BIツールって出せるアウトプットって
あくまで冒頭の話における「スポーツ新聞」的なところであって、
それをどう見るか、どう分析するかといった話はその先にあること。

何となく、データ分析の必要性を感じて、
情報システム部主導でBIツールを導入したものの、
そのアウトプットが、現場で全く生かされることがなく、
結局、誰も使わなくなってしまった、
みたいな話はいくらでも聞くことがあります。

いかに、システムが出したアウトプットを現場のノウハウと結び付けるか。

例えば、こちらの記事。

ある日の朝9時、地銀の若手営業であるAさんは、
先日大手メーカーを定年退職したBさんに電話を掛けていた。
「はい、このあと11時にお伺いします」。
退職金の運用相談に乗るアポを取り付け、慌ただしく投信のパンフレットを用意する。

 Aさんは昨日まで、Bさんが定年退職したことを知らなかった。
タイミングよく電話を掛けてアポを取れたのには理由がある。
始業前に、
「昨日、B様の口座に退職金が入金されました。資金運用についてヒアリングしてください」
というメッセージが、AさんのPC端末に表示されたのだ。

※下記Webサイトより引用
ITPro by 日経コンピュータ 「地銀9行がタッグ、2500万人分の顧客データを分析] (2015/4/21)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/041400089/041600002/?rt=nocnt


これは、地銀7行合同で取り組んでいるデータ活用の事例ですが、
お客様の口座をウォッチし、まとまったお金の入金情報と
お客様の年齢、送金主(恐らく、お客様が務めていた会社)を紐付けて、
一連のアクションを「退職金の振込」と判断し、
それをリアルタイムに営業に伝達する仕組みだと思います。(違ったらごめんなさい)

当然、仕組みそのものもすごいので、
「ビッグデータ」だったり「リアルタイム」なんて修飾語が多くみられますが、
個人的にこの仕組みのポイントは、
「この結果を元に、現場(営業担当者)をどう動かすか」まで落とし込めていること。

退職されて間もないお客様
→退職から時間も経っていないので、資産の運用方法は決めていないはず
→投信等の商品提案のオポチュニティがあるはず
⇒現場で投信に関するヒアリング

シンプルな例ですが、システムが出したアウトプットと
現場のノウハウが見事に紐付いている話だと思います。

恐らく、退職金受け取り以外の何十~何千(?)のシチュエーションについても
それぞれ、現場のプロセスに落とし込むシナリオが出来上がっているはず。

ITベンダーにいるから、余計にそう感じてしまうのかもしれませんが、
【BIを使ってグラフィカルに表現すること=可視化=分析】みたいな意訳がなされており、
本来の「分析」が示す、本当の意味がデフォルメされてしまっているように思います。

例えば、天気予報でこんなことを言っていたら。

「明日の降水確率は80%です」
→ お、傘持ってかなきゃ

「明日の最高気温は5℃です」
→ 寒っ、厚着しなきゃ

天気予報は起こりうる現象を伝えるだけであって、
それをどう行動に結びつけるかは、見た人の判断に委ねられます。

「明日は全国各地でダイヤモンドダストが観測されます」
→ え、なにそれ、どういうこと? ファイナルファンタジー??
  どうすりゃいいの?? 傘要るの?? 電車止まるの??
  逆に気合い入れて、一眼レフとか持ってった方がいいの???

極端ですが。

多分、データをいじっているだけでは、何も解決はしないはず。
それをどうやって行動に結びつけるか、を考えて、
初めて分析が活用されるのだと、最近つくづく感じるようになりました。

ということで、「分析」をするためには、まずは赤鉛筆を耳に挟むところから。


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