2016年6月28日火曜日

ブラックボックスで何が悪いの?

データアナリティクスグループの左近です。



まずはじめにお断りしておくと、今回の記事の内容は、あくまで僕自身の考え(というか思いつきの羅列)に過ぎません。

決して弊社および当事業部のメッセージではないことを予めご了承頂いた上、
「また、ゆとりか・・・(失笑)」
と生暖かい目でご覧頂けますと幸いです。


よし、言い訳完了。


僕らの部署は、"データアナリティクス"の御旗のもと、
お客様のところにある『眠っているデータ』を何とかこねくり回して、
企業活動において有意な分析結果を提供することが、ミッションになっています。

で、「あんなこといいな、できたらいいな」というドラえもん的なノリで、
お客様とディスカッションさせて頂き、今あるデータのプロファイリング(調査)だったり、
必要に応じて(というかほぼ100%必要)、ユニリタのお家芸ともいえる
データの収集や加工をしたり、データの分析手法の選定をして、
出てきたアウトプットを、実業務で活用するための運用イメージを設計していきます。

そんな中で僕らは、機械学習を使った分析を推しており、
「今まで見えてこなかった特徴を捉えて、ノウハウにない新たな気づきを得ましょう
とお客様にお話しするわけです。

さすがに、
「機械学習? 何それ? 聞いたこともない」
という反応こそ、もうあまり無くなってきましたが、
64%の確率(私の体感)で、次のお言葉を頂戴します。


「機械学習ってブラックボックスですよね?」

「出てきた結果に対して『何でそうなったの?』が分からないのはちょっと・・・」


なるほど、仰ることは良く分かります。
ここで、ゆとり世代の僕は、ゆるーく呟くのです。


ブラックボックスで何が悪いの?




この場合の「ブラックボックス」はユーザ側から見たときに限るものとします。

少し言葉が乱暴だったかもしれません。
「何でそうなったの?」ということについて、考えることを放棄するつもりもありません。

洞察は当然必要なこと。
ただ、生半可な洞察では、現実離れした施策に繋がってしまう可能性があるということです。


唐突ですが、僕が普段よくつるむ友人4人を紹介します。
あーちゃんと、けんちゃんと、ぶんちゃんと、しーちゃんです。(すべて仮名)

僕とこの4人は、中学・高校が同じで、家も割と近いこともあり、
未だに週1回以上は飲みにいくような仲です。
4人は別にお医者さんでも弁護士さんでもアイドルでもなく、
僕と同じように普通のサラリーマンです。

僕を含めた5人を、よくある形でデータ化してみましょう。











同一人物なのかな??



いやいや、これだと属性が少なさすぎる。
何かもっと他にデータがあるはず。


あーちゃんは普段、私服のときは大体ビーチサンダルを履いています。
夏だけに限らず、春から秋にかけてずっとビーサンです。
通販で100円で買えるそうです。
まとめ買いしてるため、彼の靴棚はビーサンが5足ぐらい常備されています。



そう、彼はイケメンですが、足元にお金をかけません。



冬のある日、彼が白いスニーカーを履いてきました。
しかも、NIKEのエアフォースワン
僕らは驚きました。

「あーちゃんがちゃんとした靴履いてる・・・!」


しかし、よく見てみると例のNIKEのロゴがありませんでした。

彼に尋ねてみると、

「ん? よく分からんけど、通販で800円ぐらいで買った」


地面を歩く感触がしっかりとあるそうです。クッション性皆無。




そう、彼はイケメンですが、足元にお金をかけません。(繰り返し)



更に言えば、服についても割と適当であり、鞄は持たない主義のため、
ファッションに関する購買の頻度や金額は、僕ら5人の平均よりは少な目になります。



そう、彼はイケメ(以下略)



先程のデータに一つ項目を付け足します。



もしマーケティング関係の第三者がこの情報を見たとき、
「なるほど、あーちゃんという人は、ファッションに対してあまりお金を使わないから、
ファッション関係のDMや、WebのPR広告をうっても、イマイチなのかな?」
と推察できます。


ある日、あーちゃんがふと呟きました。

「俺、時計欲しいんだよね」

まぁ、携帯電話で代用できるとはいえ、一応サラリーマンですし、形式上必要ですよね。

「ふーん、何買うの?」

「オメガのシーマスター」

「出た、また通販だろ?(笑)」

正規店で買うに決まってんだろ(真顔)」




なんなの??



残念ながら全て実話です。


ちょっと特殊な例になってしまったかもしれませんが、

 ・靴は安いので十分
 ・服も安いので十分
 ・鞄は買わない
 ・腕時計はオメガのシーマスターが欲しい

「ファッション」という切り口で見れば、
【購買意欲がそれ程高くない顧客】と捉えそうになりますが、
細分化すると全く違った結果が見えてきます。

僕ら5人の中で、シーマスターの割引クーポンを一番欲しがっているのは、
実はあーちゃんだった、という。


ここで更に踏み込むと、彼は恐らく今後も定期的にビーサンを買い続けます。
僕らは履きつぶすほどビーサンを履く機会もないので、2~3年に1足程度でしょうか。

通販でビーサンを100円で販売する業者からすれば、RFM分析(※)において、
あーちゃんはR,F,Mの各項目で高い項目を示す優良顧客でしょう。
一方で僕らは、通販でビーサンを定期購入する習慣は無いので、良い顧客とは言えません。
(※RFM分析…「最終購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの切り口から、顧客のセグメンテーションを行う分析手法。)

この場合、もしビーサン屋がクーポンやDMを送る場合、
僕らよりもあーちゃんの方が反応する可能性が高いと言えます。


一方で、今日現在、まだ購入には至っていませんが、
あーちゃんがオメガのシーマスターを買ったとしましょう。
僕らは残念ながら、オメガの時計は誰も持っていないので、
あーちゃんが一歩リードとなります。


ただ、恐らく、


恐らくですが、


あーちゃんが2本目のオメガを買うより、
僕らが1本目のオメガを買う方が先だと思います
(※もちろん、趣味嗜好もあるので、オメガではない可能性もありますが、"高級時計"という意で)

高級時計を次から次へと買えるほど、収入に恵まれている訳ではないので、
買うときは全力フルスイングで一発勝負になると思います。

この場合、先と同様の分析を行うと、
直近で買ったばかりのあーちゃんに対して、クーポン配信してしまいそうになりますが、
実際は僕ら4人の方がクーポンに反応する可能性が高い、なんてことがあり得ます。

このように、商品の性質によって、取るべきアプローチは変わってきます。



また、別の友人けんちゃんの話。

先日、僕が漫画喫茶で、何の気なしに読んだ『みどりのマキバオー』について、

「マキバオーってギャグ漫画だと思ってたけど、漫喫で読んだら涙腺崩壊レベルに号泣した」

とLINEで送ったところ、彼は数日後に電子書籍版で全巻大人買いしていました。

ここで僕が驚いたのは、彼は基本的にマンガを買うことはほとんどなく、
たまに機会があれば漫画喫茶に行って適当に読むぐらいであり、
更に言えば、これまで電子書籍で本を買ったことがなく、
今回初めてわざわざアカウントを作って購入した、ということです。

彼曰く、「お前の激プッシュが気になったのと、ボーナス直後だったから、大胆に行った」

本当にタイミングの問題ですね。
伝えるのがあと1か月早かったら、彼は漫喫の個室で号泣していたはず。



「そんなん予想できるか、たまたまの単発パターンじゃねーか」
という反論も聞こえてきそうなものですが、
いまマーケティングの世界で取り組まれようとしているのは、こういうところです。

お客様とのタッチポイントの拡張、収集できるデータの多様性、リアルタイム性。
従来の分析手法で分からなかった特徴を抽出するということ。
生半可な洞察では、現実離れした施策に繋がってしまう可能性があるということ。

分析をする上では、とにかくデータが必要になります。

そしてそれらを分析するために、ツールとして機械学習を使うということ。

たぶん、最初はブラックボックスに見えてしまうと思います。



最初にお見せしたこの表(↓)










「千葉県在住の既婚の20代男性」
みんな、別人ですからね。


次に進むために、One to Oneの話をしましょう。


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